今日もきみにたべられたい/あぐり
夜には右耳
きみにあげるよわたしのみぎみみ
ゆがんだかたちしかあいせないなら
わたしのぜんぶ、かみちぎって
(カマキリみたいにわたしは
きみを食べるためのかなしみがないの
でも、わたしの手の中できみが海になっちゃえば
ごくん と
飲み込んじゃうよ、ぜんぶわたしになる
わたしになったきみがまんなかにしみてく
ほら、じんじんと、
じんじんと)
この肌も骨も邪魔だね
みんな邪魔だね
これがきみなんだろうかこれがないときみじゃないんだろうか
あふれてしまうから枠があって
それがきみのほんとのかたちなんだろうか
抱き締めても
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