荒地にて2/徐 悠史郎
うに詩に接し」ている状態と一致するものだ。ここで言われている「愛」の性質(同時に私が言っている「ほんとう」の性質)は、このエセーの題名の中の語彙「共犯」が示唆するとおり、略奪性のそれであり、非ルネッサンス的でありまた、ボードレール的な悪を双子の弟に持つような性質の愛である。この笠井氏のエセーは堅実な文体でかつ面白く、分り易いので、ここでいう「愛」の詳細は原典を読むことをお奨めする。だがここにもう少し引用しておこう、
詩を書いている自分への愛だけでなく、自身をこえた存在としての詩そのものへの
愛がもっとほしい。他の詩人たちの作品をまず過剰に消尽し、惑溺し、詩を生きて
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