荒地にて2/徐 悠史郎
 
とうに詩に接し、そしてなんとか無事にその中をくぐり抜けおおせた後にかろうじて白黒言いうるとすれば、それはその詩が<好き>か<嫌い>かということぐらいのものだろう。「荒地派」とある種の<政治的党派>とが「同じようなものだなどとは、口が裂けても言わない」どころか、そんなことは初めから言いようがないのである。

 唐突だが笠井嗣夫を引こう。


   詩にたいする私の態度は、たったひとつしかない。すなわち、愛することと、生きること。

                 (『現代詩手帖』2003年5月号「共犯幻想あるいは逆さの鱗」より)


 この態度の取り方は、上に書いた「ほんとうに
[次のページ]
戻る   Point(4)