【批評祭参加作品】つめたくひかる、3?江國香織の表記/ことこ
 
 前回、前々回の「つめたくひかる、1―江國香織『すみれの花の砂糖づけ』」(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=201263)「つめたくひかる、2―江國香織『すいかの匂い』」(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=201312)では、それぞれ詩集『すみれの花の砂糖づけ』と短編集『すいかの匂い』を「つめたい」という言葉に着目しながら読んできた。これらを読んだ方は薄々感づいていることと思うが、江國香織の「つめたい」は、「冷たい」ではなく、「つめたい」であり、すべてひらがな表記である。今回は、この表記について考えていきたい。

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