【批評祭参加作品】つめたくひかる、1?江國香織『すみれの花の砂糖づけ』/ことこ
 
 江國香織の詩集『すみれの花の砂糖づけ』(新潮文庫)は、理論社刊の詩集『すみれの花の砂糖づけ』に12篇を増補した、全部で70篇ほどの詩集だ。
 今回はこの詩集を、「つめたい」というひとつの言葉に着目して読みながら、「詩を読む(あるいは、書く)」ということについても、考えていきたいと思う。

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 『すみれの花の砂糖づけ』には、「つめたい」という形容詞がぜんぶで4ヶ所でてくる。さて、なぜ今回「つめたい」を取りあげるのか。そう問われても、なんとなく印象に残ったから、としか答えられないのだが、たとえば一番はじめに出てくる詩は、こんな具合だ。

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「おっぱい」

おっぱい
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