【批評祭参加作品】つめたくひかる、2?江國香織『すいかの匂い』/ことこ
前回の「つめたくひかる、1―江國香織『すみれの花の砂糖づけ』」(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=201263)では、江國香織の詩における「つめたい」という言葉は、精神的な距離、隔たりを暗示させる場面で用いられていると結論づけた。今回はさらに、江國香織の『すいかの匂い』を「つめたい」に着目して読んでみたいと思う。
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『すいかの匂い』(新潮文庫)には、夏をテーマにした、11人の少女の、11話の短編が収められている。この中で「つめたい」という言葉を探したところ、全部で10ヶ所、8話に出てきた(さすがに小説になってくると文章量が多くなるので
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