【批評祭参加作品】詩人は、ことばだけで勝負するんだ!?/角田寿星
傍まで歩みながら朗読したっけか。ねじめ正一さんのような人はいたかもしれませんが、んで何か早口で喋ってたような気もするんですが、ほとんど記憶に残ってない。
すごかったのが吉原幸子さんでした。比較的若くしてパーキンソン病に侵されて、闘病の末に最後は車椅子生活になって惜しまれつつ亡くなられた、かの人。細身の身体を折り曲げながら、腹の底というより、心の底から絞り出すようなことばの数々は、彼女の硬質の詩篇と相性もバッチリで、ぼくの心に確かに楔を打ち込みました。ぼくらは「惜しい人を亡くしたねえ」と口々に言い合いました。
驚いたのが石垣りんさん。彼女の詩の朗読なんてイメージが湧かなかったんですが、非常に
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