牢の花、めめぞ群/山内緋呂子
女郎」鳩子がめずらしく冷たいしゃべり方をするのでびっくりした。
「まあ、何だろ女郎言うか牢名主。ここ、みみずの牢であって、その座る大事なとこにござ敷こうとしてたんだね」
と、めめぞから気をそらそうと、ござを引いて引いて木陰から出てしまっていると、
鳩子が一人
大きい木陰に一人、帽子をとって寝ていた。
「場所を移動したよ」と言うと、
「女郎。草を抜かなければ一緒に寝ていいんだって。新しい屋根がやってきてつぶれるのはいいけど、もとの草が引っこ抜かれるのはかなわないって。女郎」
めめぞ。
では皆さんで女郎ごっこでもと、天涯くんは本当はお日様の下が大好きなのだが引いてきて引いてきて、3人で女郎と寝た
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)