牢の花、めめぞ群/山内緋呂子
下に立つと、自分の髪の長さだとか、二の腕を隠す広い半袖だとかに、草がかぶさる。
「今、私ゆうれいに見えるんじゃない?」と期待して、遠く二人に向かって柳を揺らした。
途中、電柱が立ち並んで二人が見えなくなる。
「今、私パンダだったらこの草食べてたなあ」と思うがそれは笹。パンダが食べるのは笹。パンダはお花の香りの屁をするらしい。何と愛らしい。自然保護団体パンダ極保護部門の、家でパンダを飼っているおじさんがいたら寄付したいぐらいだ。
草の多い公園に着いて天涯くんが、ござ持ってきた言うんで鳩子とせっせこ草をとりのぞいていたところ
「あなた、困ります」と、みみずの女郎が飛び出た。
「あんた、女郎
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