夜は沈黙の代価で震える/瀬崎 虎彦
 

およそ性別と呼べるものは
ないと思うのだけれど
それを立証できる気がしない

夜がタール
夜がタールの海に
夜がタールの湖にしたたる

浅い眠りを破って
殺される夢を見たような
誰か現実の世界で
私の後をつけてくるように
背筋を寒くする
出来事を思い出して
浅い眠りから帰ってくる

眠れない

眠れない
眠れない


眠れない
眠れない
眠れない





眠れない
眠れない
眠れない
眠れない
眠れない

少し眠ってしまったから
そう
だから今すぐは眠れない

このところ
お酒を飲む量が普通じゃない
自分でも
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