みなしごたちの夜/瀬崎 虎彦
 
子供の眼球
不気味な光りを放ち
見開かれた眼球

目の
目の中に
不愉快で不衛生な郷愁が
対照を通奏低音として
弾けて弾かれている


口の中の赤

子供たちは何も見ない
回転しながら不気味な光りを放つ
眼球より何も情報を得ない
回ることで子宮に帰ることを
夢見ているのだ

ああこの白痴どもを
撃ち殺せ

そういう人も出てくる

ああ木の葉に隠れて
地表に出てくる必要のなかった子供たち
子宮へ帰れ
子宮へ回帰せよ
回転する子宮
捩れた子宮
受精しなかった兄弟姉妹たちの
べったりとはりついた子宮へ
回帰するがいい

不潔な穴倉に
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