国道246号線、寒い寒い日/ブライアン
 


加算されていくタクシーのメーター。
終電を乗り遅れた人のために走る、深夜バス。
いくつかの十字路。
右折すれば海へ。

誰の記憶だっただろう。
夜明け。海岸から昇ってくる太陽を、砂浜で焚き火で迎えた。
真っ暗な空。

ベットタウン。
寝過ごした乗客が、改札を抜けてタクシー乗り場へ向かう。

深夜料金。
振り向く運転手に目的を告げる。
何か話そうとしたまま、眠りに落ちる。

海へ。

翌朝、定時に仕事場へ向かう。
ネクタイを締める。朝のワイドショーを、天気予報を見る。

傘を持っていかなければならない。

いや、
それが幸せ。

嘘をつけ
[次のページ]
戻る   Point(4)