国道246号線、寒い寒い日/ブライアン
最終電車。降車する人の群れ。渋谷駅へ向かうホームの光は消されている。
最終確認をする駅員の姿。
電車から降りる。込み合った車内ではうまく呼吸が出来ない。人の波から外れて、立ち止まり、呼吸をする。光が消されていくホーム。アルコールの匂いがする。嘔吐物がコンクリートに吐き出されている。酔っ払いは無重力。彼らの口から下は頭。吐いたはずのものも、地面には辿り着かない。彼らの頭にこびりついている。
横目で通り過ぎる人々。階段を降りる足音。
改札で見守る駅員は、光の消された街を眺めている。
国道246号線は眠らない。ベットタウンを通過するトラック。
突き刺さるような冷気。エンジン音。
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