埼玉出張記(2)/相田 九龍
が専攻している社会学について等、色々話を聞いた。アウシュビッツ収容所の話を聞いて、それが記録しているナチの罪悪は誰にとっても同じ事実だが、それを自分の目で見て感じて行うそれぞれの表現の中のひとつとして、タランティーノも悪くないと思った。
彼女の話す社会学からの視点は興味深いものがあり、どれだけ一生懸命やってても理系によく馬鹿にされると嘆くのを聞いて、文系も捨てたもんじゃねえんだぞ!という気持ちになった。結果が分かり易いものだけで社会は成り立っているんじゃない!などと文系談義に花を咲かせる二人を乗せて、時速60kmで電車は進む。
秩父に着き電車を降りると、空気が澄んでいてとても気持ち
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