制裁/高杉芹香
 
して。
夕べもインチキな英語で歌を歌っていた。

それを聞いていたら
あたしはどうでもよくなってベッドにもぐった。
あたしの不機嫌を気付かないフリしてきみもまたベッドに入った。


即座に寝息みたいな音立てて。
寝てなどいないくせして。
細くて白い長い腕であたしを後ろから包んだ。



あたしの周りには
優しい人ばかりだ。

けど。
どれが本物の優しさだというのだろう。

この男もまた優しい人だろうが。
彼もまた。
あたしをさびしくさせる。

そんな体温が欲しいんじゃない。
適当なことばなら喋らなくていい。
相変
[次のページ]
戻る   Point(4)