制裁/高杉芹香
 
相変わらず。嘘がきらい。
ただそれだけなんだ。





明け方の駐車場。
エンジンが温もるまで車中で話して。
車が角を曲がるまで手を振りながら笑ってみた。

めんどくさい。
だから。男の前で泣くのはやめた。


ひとりになると。
時々、緊張感が途切れたように
慄くことばが口から出る。


これもまたあたしなのだと思う。
そのあたしもまたやむないのだと思う。


あ。
彼に訂正するのを忘れた。

『死にたくなどなってないよ。今。そんな暇、ない。』

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