制裁/高杉芹香
ばいいのに。
何も誰も。
出会ってなどない。起きてなどいない。
あたしはそんなに暇じゃない。
『また死にたくなったの?。今、暇なの?。』
そう言いながら無邪気に笑う
今や男友達になった元彼は
あたしの何を知ってるという?。
きみに抱かれないようにした期間。
あたしは別の男性に恋をしてたんだ。
きみは気付いていて何も言わなかった。
またきみに抱かれるようになっても
なぜかまだあの悪夢を見る。
笑い方を教えてよ、と泣いて目が覚める。
冬でも柑橘系の匂いをさせて。
あたしの憂いを取り除こうと。
きみは必死にバカなフリして
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