スパイ女房/青木龍一郎
 
で回り続けて
最後には空高く飛んでいってしまった。
メリーゴーランドは上空を飛ぶ戦闘機にすぐに打ち落とされてしまった。















「違います、としゆき君。桜です。桜。なんですかスパイ女房って」
「ごめんなさい先生」
「謝らなくてもいいんです。次から気をつけてくれればいいんです」
「はーい」
「はい、じゃあ、もう1度聞きますよ。春に咲く花といえば?」
「スパイ女房!!」













ボロボロのビニール傘を差して、僕は赤ちゃん用品店・西松屋の店内をうろついている。
赤ん坊を抱きかかえた母親たち
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