製氷器。午前0時。/あぐり
 
間を視覚化させているようです。何もかもが僕の中で、物理的に静止しているというのに心の灰の水の心だけが流れて流れて止まってはくれない。流れるという事象で僕は覚えていない昔の哀しい双子を思い出したけれども、他人になる一歩手前のその子供を僕はやはり覚えていません。白蛇の方がこんなにも近くにいるから僕は白蛇と家族なのかもしれないと思う。家。の恐怖心。もうそれはこの夜が永久に明けないという事と似ているかもしれないのです。諦めますか?それでも右手が握っているのは心の灰の水の心を凍てつかせて凪にする製氷器という道具だから理性とか本能とかその間とかわからないところで諦めていないのでしょう。夜はこれからも深くなって
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