桜吹雪/灯兎
 
に、僕と貴女は公園に行きました。桜は僕の一番好きな花で、だから貴女が
 「風花みたいだね」
 と言った時に、まるで自分の全てを理解されたかのような、唐突な衝撃に見舞われたのです。

 ――ああ、これが終わりの近い恋でなかったならば――

 そう思ってしまった僕を、自分が誰よりも卑しいと思ってしまいました。それはまるで自らが断頭台に処した死刑囚に最期の言葉を聞いてやるような残酷さを伴った想いでしたから、あいかわらず僕は何一つ変わっていないし、何一つ理解されてなんかいなかったんだと、諦めに似た感情が湧いたのです。

 それでも、僕はここに記しましょう。
貴女と過ごした夏の日も、貴女と
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