おくすりはあなたにひつようだろう/あぐり
 
なに聞いている/問いただしている
ほんとうにこんなものでなおるとでもおもっているのですかあなたはいつだって
もう少し様子をみましょうという先生の言葉が
火曜の夜には少し息苦しい

二週間に一度
更に電車に揺られ
ヘッドフォンで耳を塞いでもうなんにも余計な物は聞かないように
もうなんにも覚えていられないように

川の上を走る線路/薄暗い駅前の公園/寄り道の出来ないちいさな後ろめたさ

両親はどうだったとしか最初に聞かない
私は出来る限り手短に答える
(またきょうもおかねをへらしましたわたしはいつだって)
でもおとうさん、
私はいつだって前を向こうとして30センチ先の足
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