おくすりはあなたにひつようだろう/あぐり
 
の足下を見ている
それも少しの進歩だと言って
いちいち増えていく錠剤を数え上げている今夜も
だからおとうさんおかあさんには元気だよと言う
薬をちゃんとちゃあんと飲んでいるよ私
ねえほんとうにわたしはびょうきなのですかそれはいつから
それはいつまで?
焦らなくていいからね
それは誰に向けての言葉だろう

(十九歳です。
  二週間に一度、実家へ帰ります。
 おかあさんは私とお風呂に入ります。
  私はほんとうにほんとうに何か身体を調べられている監視されていると思って、
 おかあさんの白い綺麗な肌を見る度に申し訳なくなる。
  おかあさんとおとうさんの横で眠る夜は、
 
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