そよめきと鳴る窓は君の外に/青木龍一郎
 
アイスを運んだ。
僕も気力を振り絞り、虚ろな目でそれをぺろぺろと舐めた。




それは本当に寒い食事だった。





手足の先が、寒さで嫌な感じがするのが分かった。
そして、普段は饒舌な黒柳徹子がまだ一言も喋っていないことに気づいたのもこのときだった。

全裸の僕は自分の体が凍っていく感覚に陥った。
そしてアイスになり、自らも誰かに食べられてしまうのかもしれない。
そう思った。



坂東「あかん、青木君の体が冷えすぎてる!
   何か体を温めてあげられるものはないんか!?」



その時、部屋に誰かが入ってきた。
草野仁だった。笑っていた
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