腕輪/ゴースト(無月野青馬)
 
立ち尽くす
十字路で
しゃがみ込む
十字路で
何かを落としたようで
何かが零れたようで


しゃがみ込んで見ても
何も見当たらない
手探りしても
何も掴めない
確かに、零れたような気がしたのだけれど


思い起こすと、こんなことばかりだったような
こんなことしかなかった毎日に思える
気付かない内に
何かが無くなっていて
気付いた時には
大半が亡くなっているような


改めて「私」を見ると
コートの中は隙間だらけ
骨身を晒し、枯れ木のような黄土色をしているばかり


森へ行こう
その瞬間
そう思った「私」
立ち上がって
十字路を抜け出そ
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