Born To Win [Shangri-La]/プテラノドン
 
へ」
僕らは女たちがいる部屋へ行った。何かしら言ってやりたかった。
もう、俺達とお前達しかいないぜ、と
友人は言って、テーブルの上に置かれていたグラスを
ゆっくりと手で払いのける。ガラスの割れる音。
ぴくりとも動かない二人の視線の先に、ちびた折り鶴を
置いてきぼりにして僕らは店を出た。
駐車場で一服しながら
時計は一時を回っていたが、帰ろうとしなかった。
こんな気持ちのまんま寝るのは止した方がいい。
明日の朝の通勤途中、車で事故っちまう。
だからもう一度、
飲みに行った方がいいな。

再び訪れた店内には、
先程とかわらぬ客たちがー、頬に赤みがさし、女の子との距離はー、
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