Born To Win [Shangri-La]/プテラノドン
ー、
彼らが理想に近づけているのかはー、
僕らには分からなかった。分かっているのは誰もが、ほら、笑って
店をあとにするであろうということ。
僕らは二人を指名した。席に案内しながら二人は言った。
「何でまた来たのよ?」「あんなこと言っといてさー」
僕らは黙っていた。黙って彼女らが酒を作る様子を眺めていた。
不意に友人は身を屈め、深刻そうな面持ちで口を開く。
「分かるか?」
彼女たちはその後に続く言葉に期待して、
身を屈めて「何?何?」と調子を合わせた。
でも友人の言った言葉はは期待外れだった。
少なくとも、
それを聞いた彼女らがとる行動といえば
何事もなかったかのようにグラスに口をつける位。
「ここにはもう、俺らとお前等しかいないぜ」
その言葉の真意を、二人に理解させようとは思わない。
僕らがその日、
最後になるであろうーシャングリラ!
ついに切れた電球みたいに笑顔を見せたことも。
そうじゃなくちゃ、
夜明けの朝日はこないってもんだろ。
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