Born To Win [Shangri-La]/プテラノドン
 
男は何かをわめいていたがよく聞こえない。
そいつらの言い分を聞くつもりはない。
僕らは入り口を見ている。こんな所で何をしているんだろうと
空しい気分になる。そして一方的に謝る。悪かった、悪かったよ。
繰り返し言ってみても、やつらは許しちゃくれない。
けれどそいつらみたいに自分たちにとっての頼みの綱の人間が、
恐ろしく脆弱な人間だと、僕らの後輩だと知ったならばー、
思い描いていた理想とは程遠い後悔を覚えたならばー、
やっぱり店を出て行くしかない。

そうやって大人になるもんだよ。地元にいる限りは。
面倒なしがらみは誰しもにある。俺たちだってそうだった。
「他所へ行け、他所へ」
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