社会的総資本とは?/A-29
することを余儀なくされる。それゆえ、生活最必需品にたいする課税(したがってその騰貴)を回転軸とする近代的国家財政は、それ自身のうちに自動的累進の萌芽をはらんでいる。過重課税は偶発事ではなく、むしろ原則である。》(『資本論』同前)
マルクスによれば、その使用が富の所在に偏りをもたらすところの国債であるが、1930年代の大不況にいちおうの「解答」を与えたとされるケインズ主義とは、この国債の増発を恒常化させるものだったという。
《国債の歴史のうえで転機となったのは、第一次大戦後の相対的安定期の後各国を襲った大恐慌と、それにつづく30年代の長期の不況であった。不況が深まる中で伝統的な健
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