ある戦争体験者と話をしながら/北村 守通
 
 日本は資源が少ない国であったから、弾幕を張る、ということよりも一発における命中率を高めることに重きを置いていたように思える。その究極の形ともいえるのが『特攻機』である。基本的に弾とは発射したあとは制御できない。しかし、その発射後の制御が可能となれば、一撃必中のはずであった。考え方そのものは今の誘導式のミサイル等となんら変わりはない。ただ、その制御方法はやはり人力に頼らざるを得なかった。
 各地で決して消えることのない自爆テロも結局はより確実に目標に打撃を与えるための最も効果的な誘導方法なのだろう。少ない戦力を有効に用いるには、なるほど原始的且つ、単純であるけれども理にかなっている。それを用いる
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