あとがきにかえて/e.mei
れたけれど、
おそらく僕たちは、
はじめから空っぽだったのではないでしょうか、)
頭上には僕たちを見下ろす機械鳥がいて、
マーキュリー、
君はもう世界樹よりずっと向こう、
遠くの遠くの空の向こうの見えない処、
コールサックまで行ってしまうと決めていたのなら、
せめて、
名前だけは誰かに預けていってほしかった。……
マーキュリー、
冬を待たずに動かなくなった機械鳥の名前、
僕は機械鳥の名前をうまく発音できません。
機械鳥が眠る土のなかから生命が歩き始めて、
僕は約束された時間に目を覚ましました。
『ある音楽家は、
無意味を追いかけて意味を知った。』と
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