あとがきにかえて/e.mei
永いあいだそれを見ていました。
息を洩らした火が生み出した霧は僕には眩しすぎるから、
僕たちは水面に永遠を描いて、
少女だけが、
消えていく火が霧に包まれてゆく様を見ることを許されていました。
(そして消滅と云う一つの悲しみから星星は
子供のいない星座へと還ってゆく。)
*
「マーキュリー、」
今日も南十字を落ちてゆく機械鳥を見れば、
過去と云う存在を忘れてしまいますね。
僕は君を視ていたのだけれど、
君はアルビレオの光を視たと言いました。
僕は蠍に見つからないよう、
双子のお星さまの後ろに隠れます。
(何かを失ったのとお星さまに訊かれた
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