あとがきにかえて/e.mei
 
の涙のなかで泳いでいる魚たちの名前を
うまく発音出来ないでいるから、
マーキュリー、
君は、
遠くの遠くの空の向こうに飛んでゆこうとしている機械鳥を
無視していたのでしょうか。


 マーキュリー、
「コールサックのなかから永遠を見たい。」
それだけ書かれた短い手紙を君が寄越した翌日から、
記号の森には永い冬がやってきました。
言葉の雪が降る空の下で、
欠損した水仙はもう
必要のなくなった音楽に言い換えられていたのだと僕は知りました。



(君に伝えたいことがあります。)
(僕は名前のない少女を抱きしめてあげたかったのです。)
(今日も機械鳥の骨を見下ろし
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