世界征服やめた(保存用)/不可思議/wonderboy
人間の身にもなってみろよ
「もしもし、俺だけどみんな待ってるぜ?」
「あー、すまんすまん言われた通りに交差点に出るたびに左に曲がってるんだけどなかなか抜けられなくて、でも大丈夫だよ、きっと、すぐだよ」
「いやお前それってさ、思うんだけど…」
ってところで電話は切れて結局何も伝えられない
詩や歌にするのはとても簡単なのに
直接言葉で伝えることがこんなにも難しいことだとはと知らなくて
それなのに知らなくていいことばかり増えてしまって自分の一番近いところにある風景がこんなにもかすんでしまっていることに気が付きもしないなんて!
「人生がもし流星群からはぐれた彗星のよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)