まどろみと日常/百瀬朝子
 
意味する

ありえないという観念と現実の狭間で
事実だけがくっきりと浮かんでいる
わたし は
   ま
    ど
     ろ
    み
     たく
       なる
 (つらい、
(くるしい、
 (こわい、
鼓膜に膜が張る
脈が飛ぶ
遠ざかる雑音に
遠のく意識を任せたい

わたしはひざを抱えて震えてる
いや、膝を抱えているのは少女の方か
猛烈にまどろみ、たく、なる――――
ここでは現実が渦をつくる
ゆがむ理由を知りたい
のみこまれたのは少女の夢
儚く脆い
わたしは逃げたい(逃避、(逃避、
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