まどろみと日常/百瀬朝子
意味する
ありえないという観念と現実の狭間で
事実だけがくっきりと浮かんでいる
わたし は
ま
ど
ろ
み
たく
なる
(つらい、
(くるしい、
(こわい、
鼓膜に膜が張る
脈が飛ぶ
遠ざかる雑音に
遠のく意識を任せたい
わたしはひざを抱えて震えてる
いや、膝を抱えているのは少女の方か
猛烈にまどろみ、たく、なる――――
ここでは現実が渦をつくる
ゆがむ理由を知りたい
のみこまれたのは少女の夢
儚く脆い
わたしは逃げたい(逃避、(逃避、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)