土星さんの帽子/角田寿星
つもの火花や紫煙が夜空をいろどって
土星さんの笑顔が好き たくましい腕が好き
土星さんの帽子が好き 帽子の土星さんが好き
かがみこんで土星さんのほんとの顔をのぞきたかったけどできないで
白夜のみじかい恋は
もうすぐおしまいです
おわかれの時刻です
夏至祭のおおきな扉が開きます
いっておいで こころだけで
やさしかったあなたのたいせつな人たちに
よふけの窓をノックして 涙をふいてあげて
さびしいさびしい道をずっとひとりで歩いてきたあなただから
いきもかえりもこわくなんかない
エンキドさんもナミさんも見守ってるよ
でもうしろの正面ふりかえっちゃだめだよ
ではいっておい
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