孤独な感受性/佐藤
会であるためか、さまざまな物事に対して論理的に解決、解釈できると思っている人が多い。しかし実際は物事の大半が、往々にして論理的破綻を生み出す。だが、論理的破綻こそ、物事の本質である。物事はそもそも矛盾に満ちていて、数学的に解決できる事件など、この世にはない。法に守られているのではなく、法に縛られていることに気づいていない人が多いのだ。(私的な立場で極論を言えば、法律の最大の矛盾は、「人が人を裁くこと」である。深い意味がなくとも、人が人を裁くことは矛盾である。殺人者を死刑にすることも矛盾である。更に言えば、人が人を裁き、人が人に「罪」を宣告するのならば、人類はみな「罪」を背負っているはずだ)
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