孤独な感受性/佐藤
しみは、どちらにも属することが出来ず、『何も分からない』境界の狭間で揺れているという苦しみである。この苦しみは、大人にも、子供にも、理解されることはないだろう。
子供から思春期を経て、大人になっていく人間がなぜ、芸術でなくなってしまうのか。それは境界を漂うことをやめてしまうからである。思春期を乗り越えた人間は、自分が「子供」から「大人」に変わったのだと納得することで、思春期に悩み苦しんだ苦悩や、社会に対する矛盾を飲み込んでしまう。そのように単純化するような人間は、自分が生きていくために他の生物を殺して生きている、という現実を考えないようにして生きていくのだろう。
しかし、そうやって割り
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