孤独な感受性/佐藤
 
調していくこと、それが大人なのだと思わされているのだ。
 しかし、直接的な言葉に慣れ、コミュニケーションに不自由を感じなくなっていくと、『内なる孤独な感受性』は薄れていく。
 もしかすると、誰もが子供から大人に変わる過程の中で孤独感や不安感をぼんやりと抱き、誰もがそこから脱却しようとしてもがき、そこから脱却したと思い込んでいるのが、そこらへんにいるありふれた大人であり、いつもでも脱却することが出来ず、苦しみながら、言葉にならない感情を発し続けている人が、芸術家と呼ばれる人たちなのかもしれない。


 絵画の巨匠、パブロ・ピカソは完璧なデッサン力を持っていたにもかかわらず、子供の持つ「本質
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