誰にも侵されない夕方/瑠音
ついさっきまで
眠っていたかのような
まどろみ
覚醒を求めて
手元ののコーヒーを一口
手を伸ばして
煙草を一本
煙を吐くと
命が一緒に出て行くような気がする
たぶん
本当に出て行っている
それでも構わないと思ったときから
私は君たちと友達になった
誰にも侵されない神秘が
世界に呼吸をもたらした時
神は自分の作った芸術が美しすぎて
吐き気がしたんじゃないか
そんな心配も
してみる
夕方はオレンジに満ちて
惹かれるように満ちてい
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