にんげんの穴/北村 守通
理由であったり設計思想であったり。
私達は火災という存在は知っている。
しかし「火災とはなんぞや」と尋ねられたときに、果たしてそれを正確にかつ、質問者に伝わる形で説明することが果たしてどれだけできるだろうか?火災報知機を作る、ということは火災をどの様に定義するかにもかかってくるし、そしてその上で何を特性として取り上げるか、ということにかかってくる。特性が一つであればよいが、複数の特性が潜んでいる場合、そのどれに着目するか、というのは設計者の主観に委ねられているのかもしれない。(または個々の場合による要望といった、個性によるもの)
火災報知機なんかならば、火災という再現可能な実存
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