白森/斗宿
 
荒野へと
何も知らず、何も持たぬ
徒ビトの身に堕ちるのだ

微かに、微かに心を乱す恐れ
静かに、静かに時を待つ


呼ぶ声の奥から、低く一つの唄が聞こえた

    おまえが往くは、ヒトの背負いし業の道
    巡りて集う、輪廻の道
    迷うことなく進むがよい
    自らの路を生きるがよい

    終焉は、新たな始まり
    死んだ森は石となり、砕けて砂へと還ってゆく
    降りつむ砂は土となり、草原はやがて萌えあがる


怖ろしいほどに明晰な視界の中で
幾層にも重なる枝葉の一部が崩れ
光と共に、砂となって降り注ぎ
旅立ちの時が近づきつつあ
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