白森/斗宿
つあるのを知らせた
私は立ち上がると
結晶と化した落ち葉を拾い
浄化された流れから、一掬いの水を飲む
凍える沢に全身を浸して、最後の禊を行った
冷え切った肌に、浄水が染みとおってゆく
サラサラとサラサラと、指の先から崩壊を始める躯を
もはや微塵の恐怖も無い、真白き魂は見つめていた
世界が、無音のままに終わってゆく
高く高く、化石になった白い森が崩れ落ち
薄れていく意識の中で垣間見た空は
かつて在ったどの空よりも深く蒼く思えた
連なる輪廻の記憶、そのどれよりも……
そして私は、最初の荒野へ降り立つ
ちっぽけなヒトの身に、あらん限りの祝福を受けながら
今一度、より深く、世界を識る為に
世界を
愛するために
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