ミミー・アナとカッポジッテ -断章 1-/人間
れはいつもポーズ!思想的な擬態!狡猾な油漬け鰯!」
ゼラチン皮膜の上を滑る融けた生クリームのような積雲が低く唸る風に引き摺られて泥のような影を脱糞した。
「絶望も反省もしないでしょうね!決して!その欺瞞がたとえ誰かを殺す結果になったって!」
「落ち着きなさい、ミミー」
庭の端でカッポジッテが両脚の義足を器用に操り手押しポンプを漕ぐと、
井戸に装飾された八瘤の取っ手の”ヰ”の焼印から霧が吹き出された。
「仕方がないじゃない、望んでそうしているんだから」
竿にぶら下がる色とりどりのハンケチーフが蒼天に拍手喝采を送った。
「第一あの人たちは”世の中をもう少しマシにしたい”なんて、
本
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