風のオマージュ その1/みつべえ
。
余りしづかで美しいので
不安になりそうな
夜の町
そのどこかで
一軒の家が燃えている
読んだとおりのイメージが浮かびます。「夜の町」のどこかで「一軒の家が燃えている」。文体は平明。でも、どこかしら幻想的な雰囲気が漂っています。「余りしづかで美しいので」不安になりそうだというのですから。この感覚は詩集「小さなユリと」にも出てきます。
森の上の美しい日没/その異様なしずかさのなかで/お前は思う/もはやもとにかえることはできない/(「美しい日没」)
そしてまた「月給取り奴」という作品では「僕はこの道のしずかさにたえる」とも書いています。「お前
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(15)