また明日などに何も/
高杉芹香
心のある唄が聴きたい。
偽善でも
繕いでもない
愛ある
心ある
唄が 聴きたい。
よくそう言っていた
彼女はこの憂鬱な月曜
病院に入った。
彼女は
医師から告げられている。
余命いくばくもないその時間を
彼女は
音楽と共に生きると言った。
彼女は
曲をいくらも創るのだと言った。
愛ある人に唄ってもらうのだと
そう言った。
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