告示・通達/ケンディ
っと見ていたことになる。
数秒無言の見つめあいが続いた。
それから事務員は「宮沢賢治、ステートメント」と
つぶやきながら、何かを調べ始めた。
調べ物が終わった事務員は、
聞き取りづらい曖昧な発音で私に言った。
「あなたは宮沢賢治の『県技師の雲に
対するステートメント』という作品を知ってますか。」
事務員は私の返事を待たず続けた。
「宮沢賢治の詩に、「ステートメント」という言葉が題名に
含まれているものがあったのを覚えていました。
内容はすっかり忘れていました。
直ちに調査したところ、『県技師の雲に
対するステートメント』ということが判明しました。」
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