告示・通達/ケンディ
私は、日本語会話がよく聞き取れない。
リスニングは苦手なのだ。
かろうじて事務員が宮沢賢治の詩について
話していることが聞き取れた。
再度ゆっくり同じことを話してくれと
依頼するのも気後れした私は、
とりあえず
なぜ今ここで、そんな詩を思い出したのか、
聞いてみた。
文法をわざと間違え、変な発音で言った。
日本語をあまり知らない外国人であることを
アピールするためだ。
「公的機関の事務員という、この私の、役柄と、
あなたという映写機がここにあるという、
この関係から、
そんな詩があったなとつい思い出したにすぎません。
公務員が天候に向け、文句
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