「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
ている。
「『そこはおれが日向ぼっこする場所だ。』この言葉のうちに全地上における簒奪の始まりと縮図がある」
では、そういった問題設定はわかるとして、ではなぜ、「全体」性が、「戦争」と結びつくのだろうか。
この点は、この「存在の彼方へ」という本の中では、前提されるだけで明瞭には述べられていないように思われる。
しかし恐らく、この点は、宗教を前提とする限り、ある意味においては自明なのだろう。
宗教を「盲点」「死角」への気づきと考えるのなら、
その目に見えないながらも、とてつもなく大きい、自分を取り囲んでいる膨大な力への気づきであると考えるのなら、
今自分が生きているという事実が、
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