「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
即ち超越の探求を通して「全体」性概念を批判的に再検討すること、それがレヴィナスのモチーフの一つになっているように思われる。
宗教を重視する要素は、文中の端々の言葉からも伺われる。
「プラトン以来、存在することの彼方は、存在することを超越したがゆえに息切れし息を止めた精神〔息吹き〕によって思考され語られてきたのだが、・・・精神の息切れないし息止は、<存在すること>の彼方の意味を担う<息吹き>のこのうえもない可能性ではなかろうか」(p25-26)
「いずれにせよ、存在に感染せざる神の声を聴くこと、それは、形而上学・・・のうちで忘却されたとみなされている存在をこの忘却から引き出すことと同様に重要で
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