「戦争」の虚偽と「正義」の再構築−「存在の彼方へ」を読んでみる18/もぐもぐ
 
和」を疑いうる筈である。

レヴィナスの思考は、カントと同じく、「全体」性を批判的に問い直す思考である。
レヴィナスは、「存在」の「全体」性を問い直すことにより、その我執からの抜け道を見出そうとする。

「意識」「現在」「語られたこと」として、必然的に生じる「全方位」の虚構。目には必ず「盲点」があるにも係わらず、視界には必ず「死角」が、見えない背後があるにもかかわらず、それは意識からは逃れていく。意識と時間は、記憶を通して絶えず「全方位」「全体」の虚構を再生産する。

「戦争」とは、「全体」性のイデー(理念)、人間理性の必然的な虚構に伴う、偽りの問題設定ではないのか。

宗教即ち
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